2005年09月11日

鋼の錬金術師「シャンバラを征く者」

劇場版鋼の錬金術師シャンバラを征く者シナリオブック
会川/昇??ストーリー・脚本 / 水島/精二??監修


公開されてずいぶん経つので今更感強いですが、面白かったので。

とりあえず、面白かったです。ただこれは私だけだと思いますが、物語の切り替えについていけないことが何度かあり、オロオロしました。今回の話は二つの世界の話が同時進行、しかもリンクしています。その切り替え時にしょっちゅうけつまづいてしまいました。

では細かいところを。
まずエド。そして現実世界側。
エドいい男になったなー(笑)。
現実世界のあちこちにアメストリスの人たちが別の立場でいて、それがおもちゃ箱をひっくりかえしていくようにそれぞれ別の主張、生き方をしていてわくわくしました。錬金術世界と全く違う思想・立場で動く人たち。見知った顔が出てくると、「この人はどんな思想で動く役を与えられたんだろう?」と。パラレルワールドものの醍醐味ですね。
なかでもかっこよく感じられたのがアルとブラッドレイ。
アル、というとややこしいのでハイデリヒ君は、これまたいい男になってましたねー(またかよ)。
限られた時間を意識しながらも夢を追う若者。社会に悪影響があるかもということを心のどこかで意識しつつ(たぶん)、開発の魔力に自らハマリに行ってしまった人。こういう人大好きです。
もちろんそれだけでなくて、エドに対する親愛の情、それだけに世界と向き合おうとしないエドに感じるいらだち。ノーアという可愛い女の子に対する淡い恋情。一人で幾つもの面を持ってる人ですね。
そしてブラッドレイことラング。おちゃめだ(笑)。ダイムノベルのあたりで「ああ、この人は将来アメリカに渡るんだろうなあ」と思いました。史実を知らなかったんで。あたっててちょっと嬉しかったり。もともとブラッドレイというキャラ自体が好きだったんで、こんなふうにおちゃめな面が強調されて出てきて嬉しかったです。それだけに、エドにウラニウム爆弾の情報をリークしておきながら「自分の仕事に協力を」といったことが残念でしたが。

そう、それにしてもエドってふつーに考えて、デンパな奴ですよね。
見てるこちらはエドの話が本当だって知ってますけど、ハイデリヒから見ると「ありもしない世界を現実のように語り、しかも自分が魔法使いだっただのその国家資格を持つ優秀な人物だっただのヤバイことを言う前世系デンパ野郎」なわけですよ。とはいえエドが頭が良くて研究熱心だから、ロケット工学について共に勉強する分にはいい人だったでしょうが。
よくこんなデンパ野郎と一緒に生活してたな、ハイデリヒ。錬金術世界で兄弟だった温情か?

翻って錬金術世界。
イズミが亡くなっててびっくりですよ。なんとなく、血は吐くけどそう簡単に死なないと思ってたんで。
あとやっぱりアルかなぁ。すごいあやうい感じになってて。劇中で「イズミという重石がとれた」なんて言ってた気がしますが、ほんとそう。全てのくびきが、同じように向こう見ずにみえた幼い頃のエドにさえあったギリギリのセンのくびきが、全くないような。かつてのエドと良く似た格好をしてる分それが鮮やかで、怖かったです。
「魂が離れやすい」という独自設定はそのあやうさの象徴なんでしょうね。
考えてみれば、アルは一度成長で得た経験をなくしてるんですよね。オマケにまもるべきものも「ない」。エドが傍らにいることで装えた(?)常識人的ふるまいは、ようはボケに対するツッコミであって、ボケ役がいないとなりたたない。そういう意味では化けの皮がはがれたといえるかも。中身は実はエドと同じくらいの無茶しい(笑)。
それと、ラース。アルをどう思ってるのか、不思議な感じでした。彼なりにアルを哀れんだのかなとか。テレビのラースは生まれたばかりの幼さを前面に押し出したキャラだったので、アルへのふるまいに成長を見た気がします。でも門の向こうでイズミに会えてよかったね。
逆に報われないキャラだったのがウィンリィ。一人錬金術世界に取り残されるって、あれは可哀想だったなぁ。こればっかりは脚本家に文句を言いたい。後に脚本集を読んで脚本家の真意を知りましたが、これがウィンリィの幸せかって言われたら納得できない。なぜならアルは現実世界へ渡ってしまったから

ここ、この映画の納得行かないところの最大の点なんですが、なぜアルは現実世界へ渡っちゃったんでしょう。エドは還らなければいけない理由があった。でもアルにはない。アルが渡ったのは純粋にエゴです。エドが「正しい」方を選択した分、そのエゴが強調されてしまった気がする。大変残念だと思います。
全員正しくなきゃいけないとは言わないけど、エゴむき出しの選択が良しとされてしまうのは納得いかないものでした。

とはいえ。おおむね全体的に面白かった映画でした。2回見に行ったし(笑)。
次はちらっと話に出た映画の脚本についていってみたいと思います。
タグ:ハガレン
posted by ちく at 12:52 | Comment(0) | TrackBack(1) | 映画
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