2012年06月04日

夏空のモノローグ・全体感想編

夏空のモノローグ(通常版)夏空のモノローグ(通常版)

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全キャラエンディングまで見たので改めて感想を。
面白かった。
いろいろ切ないけれど、それでもすべてが終わってみると爽やかな後味を残すとてもいい物語でした。出演した声優さん方が、ゲーム発売後1年以上経っても思い入れたっぷりに語ってくれるだけのことはあります。

【概要】
◇導入
主人公には1年前より以前の記憶が無い。
まるで記憶を取り戻せないまますっかり人との交流が怖くなった主人公が、心の縁にしていたのが科学部だったが、7月30日に廃部することが決定した。
7月29日の夜。廃部を惜しむ部員たちは、部長の提案により【ツリー】という謎の超高層建造物を見物に行く。彼らの前でツリーは歌い、光った。
そして翌朝。世界は7月29日にまき戻っていた。
原因もよくわからないまま、主人公たちは廃部前日の1日を繰り返し過ごすようになる。

◇形式
いわゆるノベルゲー。選択肢によってルートが分岐し、好感度が上がり下がりするタイプ。
途中ランダムイベント部が入りますが、それによるルート制限とかいうような鬼畜な仕様はありません。あったら困るw
物語前半の選択肢でお目当てキャラの好感度を上げ、一定条件をクリアすると?個別ルートにはいる模様。

◇攻略人数
当初攻略人数は5人。全員を攻略することでプラス1人。計6人。
先輩、後輩、同輩、先生、犬系、ツンデレ、眼鏡、朴訥、ものぐさ、不思議系、と、兼ね役ありですがだいたい網羅してます。

◇難易度
ゲームとしての難易度は低いです。選択肢はそれなりに出てきますが、すべてにおいて乙女ゲー的正解をたどってればまず外しません。正直ノーマルエンド出す方が難しいくらい。ていうか未だにほとんどのルートでグッドとノーマルの分岐条件わからないんですが、どうしたらいいだろう。

【システム】
メーカー側から明示されてる、本ゲームにおける特徴的なシステムは
・VNRシステム
・LRCシステム
・ツリーピース
の3つですが、私は個人的にそれに
・好感度の非表示
を加えたいと思います。

◇VNRシステム
これは演出的な話。

昨今ノベルゲーでも全画面に文字表示は珍しくなりましたが、このゲームでは基本文字が全画面表示。それが時々右に寄ったり左に寄ったりして、そこにシーンのカットやキャラクターの顔アイコンがまるで小説の挿絵のように挿入されたりします。
ホントの意味で文章主体なので立ち絵が見難いですが、その分文章はほんとに読みやすい! アイコンによる演技も面白いし。個人的にはアリです。アリ。

文章主体、といえば。
これも昨今のノベルゲーには珍しく、
●●「うんたらかんたらなのか?」
○○「うんたらかんたらだよ」
的な書き方をしません。本当に小説のようにふつうにカギカッコ書いてます。

◇LRCシステム
ようするにランダムイベントです。

全員がループに気づいているという話になった時、ループの性質について何かしらの仮説を立て、それを部員全員にプレゼンしてどれかを選ぶ、ということになります。で、毎回いくつかのプレゼンが提示されるのですが……ほんとにろくなのがないw 
一見まともそうな奴もやってみるとひどいひどいw
何より困るのは、プレゼンしたキャラがそのエピソードで必ずしも主役というわけじゃないところです。初見だと間違い無く賭けです。

おかげでまだ全部のイベントを見てはいません。たくさんある上に、イベントによってはルート制限(というと微妙)があり、しかもその中から3つランダムに表示(いちおうシャッフルして別のを出すことも可能)されるので、網羅が大変そうです。

◇ツリーピース
1キャラ攻略ごとに1エピソード、ご褒美的に解放されるおまけエピソード集というところ。
ただしほとんどのエピソードで登場人物は「綿森」と「沢野井」の二人。しかも演出の意図もあってでしょう、背景絵のみ、声なし。
ですが大変興味深いエピソードばかりなので、これを全部読むためだけでも全キャラ攻略したくなります。

◇好感度の非表示
こちらはユーザーインターフェース的な話。
昨今の乙女ゲーには珍しく、好感度表示がありません。ので選択肢による細かい上げ下げはいまいちよくわからない。
相手の気持がわからない心細さの演出を狙ったのだと思われますが、このゲームには合っていると思います。

◇その他ユーザーインターフェース
せっかくシステムの話なのでこちらも。

いわゆるノベルゲー的な機能はだいたい通常通り備えてます。オートプレイ、既読or強制スキップ、バックログ表示、巻き戻してのプレイもあり。
巻き戻すと、巻き戻したこと自体もバックログに記録され参照できるのが地味に目新しいです。ただこのゲームの場合、巻き戻し事態もシナリオに絡んでくるんじゃないかという懸念が。考え過ぎか。

少し気になったのがタイトル画面からのメニュー操作。
「科学部活動記録」という項目がありまして、ここからスチルやイベントなどを表示できます。これを選択するとサブメニューとしてCG表示やサウンド観賞のメニューが出てくるのですが、CGで1キャラ表示して「戻る」とサブメニューではなくメインメニューに戻っちゃうんですね。
ちょっとした手間だと思うのでここは何とかしていただきたかった。

逆に「これは気が利いてる」と思ったのがゲーム中のセーブ動作。
セーブするとセーブ終了確認のメッセージと一緒に「ゲームを終了しますか? はい/いいえ」という選択肢が出てくるんです。たしかにセーブってゲーム終了時に操作すること多いわけで。上手いなと思いました。

【シナリオ】
このゲームで特筆すべきはシナリオの丁寧さです。
ループものゆえの細かい分岐を矛盾なく綺麗につなげていて、それだけでも感動するのですが、肝心の(?)乙女部分もすばらしい。

あとリアルだなと思ったのが、ループを繰り返すうちにだんだん部員たちが怠惰に流れていく描写。
最初のうちはまともにループに付き合って、夏期講習を受けるためにやっきになったりするのですが、後半の方になるとどんどん自由になっていくんですね。だんだん講習をサボるようになって、そのうち家にも帰らなくなる。その晩帰らなくても平気なんです。どこでどう過ごしてたって、次のループに入っちゃえば自宅の寝床で目が覚めるんですから。
そのへんの描写がリアルなおかげで、いざループが終了するとなった時のみんなの動揺が引き立ってよかったです。

もちろんそういう堅苦しくところばかりでなく、地の文や台詞のやり取りに遊び心が溢れてます。
ひょいっと何気なくネットスラングが放り込まれてたり、他作品のアニメネタがさり気なく混ぜ込まれてたり。「オトメイトでこれってアリなのかー」とちょっと驚きました。

……が。一つ気になった点が。
とあるルートで主人公たちの間で契約書が交わされるのですが、その契約書、本当なら次のループに持ち越せないよね……? まさかループするたびに前の契約書を思い出して作り直したのか!? いやそれって契約書の偽造じゃないか!?


【というところでまとめ。】
力いっぱい他媒体への移植希望です。
PS2で埋もれさせてしまうのは大変惜しい。
オトメイト作品らしい流れとして、とりあえずPSPへの移植を大希望です。VITAでもいい。3DSも面白いかもしれない。
とはいえこのゲームの売りの一つは凝った画面構成。PS2の4:3画面からPSPの16:9画面では、ベタ移植だと色々不具合出まくりになってしまうでしょう(うちの16:9画面でうっかり全面表示した時はひどかった……)。だからこそ、演出を大幅に変えることになっても腰を据えてスクリプト全面書き直しするくらいの手間隙かけてやっていただければ、と思いますし、それだけの価値があると思います。
posted by ちく at 08:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム(女性向け)
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